愛犬がシニア期に入ってから、「もう歳だし、無理させてもいけないから控えようかな」と、犬ちゃんを思いやる飼い主様の気持ちはとてもよくわかります。若い頃は何でもなかったシャンプーや爪切りが、気づけばひと苦労になっていた、そんな経験をされている方も少なくないでしょう。
老犬期のお手入れは、「きれいにする」だけが目的ではありません。毎日のスキンシップを通じて体の変化にいち早く気づき、病気を早期に発見することにもつながる、大切なコミュニケーションの時間です※1。
この記事では、口腔ケア・シャンプー・爪切り・耳掃除・トリミング・健康チェック・投薬の7つのカテゴリーに分けて、自宅でできるセルフケアと動物病院やプロに任せるべき専門ケアの使い分けを整理して解説します。愛犬の今の状態に合った章から読んでいただけるよう、2章の早見表もご活用ください。
老犬期にお手入れが欠かせない3つの理由

加齢で変わる被毛・皮膚・歯
老犬になると活動量や代謝が少しずつ落ちていきます。
唾液の分泌が減って口内の汚れが蓄積しやすくなり、爪は削れにくくなって伸びるペースが早まります。皮脂の代謝も落ちるため、皮膚トラブルが起きやすい状態になってきます。
こうした変化は「老化のサイン」であり、ケアの方法や頻度を成犬期から見直す大切なきっかけになります※1。
免疫力の低下で感染症リスクが上がる
老犬は免疫力が落ちているため、皮膚の汚れや口内の菌が感染症やトラブルに発展しやすくなります。しかし同時に、無理なシャンプーや長時間の施術は心臓や呼吸器に大きな負担をかけます。「清潔にしてあげたい」という気持ちと「負担はかけたくない」という思い。そのどちらも大切にしながら続けられるケアの方法を見つけることが、シニア期には特に重要になります※3。
ケア不足がQOLを下げる悪循環
歯周病による痛みや、爪の伸びすぎによる歩行困難、皮膚炎によるストレスが重なると、体力・免疫のさらなる低下につながり、悪循環が生じてしまうことがあります。
日々の小さなケアの積み重ねが、愛犬の「歩ける日常」を守ることにつながるのです※1※5。
お手入れ7カテゴリー早見表(ジャンプリンク付き)
老犬のケアは、自宅で行う「セルフケア」と、動物病院・プロに任せる「専門ケア」を組み合わせることが大切です。この記事では、以下の7カテゴリーに分けて解説しています。
① 口腔ケア ② シャンプー・入浴 ③ 爪切り ④ 耳掃除 ⑤ トリミング ⑥ セルフ健康チェック ⑦ 投薬
頻度・難易度早見表
口腔ケアの基本 | 口臭対策と安全グッズ🪥

愛犬の口元に顔を近づけたとき、「以前より口臭が気になるようになった」というお声をよく聞きます。シニア期の口臭は、加齢にともなう自然な変化の表れであることが多く、決して飼い主様のケア不足ではありません。焦らず、できるところから始めていきましょう。
なぜ老犬に口臭が起きやすいのか
犬は3〜5日ほどで歯垢が歯石に変化しやすく、もともと歯周病になりやすい動物です。シニア期は唾液の分泌が減るためさらに歯垢が付きやすく、歯周病が進行すると強い口臭だけでなく、内臓疾患など全身への悪影響にもつながります※2。
加えて、歯周病による痛みは食欲低下や活動量の減少にも直結します。口腔ケアは「口の中だけの問題」ではなく、全身の健康を守るケアです。
歯みがきを嫌がる時の3段階法
口周りを触られることを嫌がる犬ちゃんでも、「触られると良いことがある」と覚えてもらうことで、何歳からでも慣らすことができます※2。
STEP 1. 口周りに慣れてもらう
まずは好きな味の犬用歯磨きジェルやおやつのにおいを手につけて、自分から近づいてくるのを待つところから始めます。鼻先が触れたら褒めてご褒美を渡す、という繰り返しで、口周りを「良いことが起きる場所」として学ばせていきます。
STEP 2. 指で歯に触れる
口周りへの抵抗が薄れてきたら、指で歯を軽く触ることから始めます。口の中を触られること自体に慣れてもらうステップです。できたときはしっかりと褒めてあげましょう。
STEP 3. 歯みがきグッズを使う
歯みがきシート→指サック歯ブラシ→歯ブラシへと、少しずつステップアップしていきます。ご褒美をあげながら続けることで、歯磨きが好きになれるようにしてあげましょう。
グッズ比較(シート・ガム・指サック)
口腔ケアに役立つグッズをご紹介します。愛犬の好みや嫌がり具合に合わせて、無理のない方法を選んであげてください※2。
| グッズ | 難易度 | こんな子に おすすめ | 主な効果 | おすすめ商品 |
|---|---|---|---|---|
| 歯みがきガム・おやつ | ★☆☆ 簡単 | 噛むのが好きな子、口を触らせてくれない子 | 噛む刺激で歯垢を除去・唾液分泌を促す | ●LION PETKISS食後の歯みがきガム シニア 超小型犬用 ●Greenies 歯磨きガム 7歳からのシニア犬用 エイジングケア 超小型犬用 |
| 口臭ケアウォーター | ★☆☆ 簡単 | お口ケアを始めたばかりの子、何でも嫌がる子 | 飲み水に混ぜるだけで口臭を抑制 | ●LION PETKISS ブレスウォーター アップルの香り |
| デンタルケアふりかけ | ★☆☆ 簡単 | ご飯は普通に食べてくれる子、口を触らせてくれない子 | フードにかけるだけで歯垢・口臭をケア | ●Dr.Yujiro ハタ乳酸菌 デンタルパウダー 歯科専門獣医師開発 |
| 歯磨きジェル | ★☆☆ 簡単 | 口周りを触る練習中の子 | 舐めるだけでも効果あり・慣らしに最適 | ●LION PETKISS VET’S デンタルジェル グリーンアップルフレーバー ●ビルバック (Virbac) C.E.T.歯みがきペースト チキンフレーバー |
| 歯みがきシート・指サック歯ブラシ | ★★☆ 普通 | 歯ブラシは嫌がるが指なら許してくれる子 | 指の感覚で優しく歯垢を拭き取る | ●LION PETKISS歯みがきシート アップルの香り ●LION PETKISS 指サック歯ブラシ |
| 歯ブラシ | ★★★ 上級 | 口周りのケアに慣れてきた子 | 最も効果的に歯垢・歯石を除去 | ●LION PETKISS VET’S デンタルブラシ |
歯石が固着している場合や、出血・歯のぐらつきが見られる場合は、自宅でのケアにとどまらず動物病院で診てもらうことをお勧めします。
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シャンプー・入浴で皮膚を守るコツ🛁

「シャンプーのたびにぐったりしてしまう」「入れてあげたいけれど、体に負担をかけたくない」そんなジレンマを抱える飼い主様はたくさんおられます。
老犬のシャンプーは、回数や温度、時間を少し工夫するだけで、犬ちゃんへの負担をぐっと減らすことができるので、一緒に見ていきましょう。
入浴頻度・温度・時間の目安
体力を消耗しやすい老犬のシャンプーは、成犬期の月1〜2回から、シニア期は2か月に1回を目安に間隔を広げるのが基本です。寝たきりの犬ちゃんなら2〜3か月に1回を目安とし、持病の状態に合わせて獣医師と相談しながら調整します。
シャワーは34〜36℃のぬるま湯、入浴には37℃前後が適温で、全身シャンプーは10〜15分以内で手早く終わらせてあげることが大切です。
寒い冬場は、浴室・脱衣所・乾燥させる部屋の温度差をできるだけ2〜3℃以内に抑えて、ヒートショックを防ぎましょう※3。
皮膚トラブル別シャンプー選び
皮脂が多くベタつきやすい犬ちゃんの場合は、皮膚の炎症を防ぐために月2〜3回に増やすか、治療としての薬浴を取り入れることも選択肢です。
乾燥してフケが多い場合は、逆に頻度を下げ、低刺激のアミノ酸系シャンプーに切り替えます。愛犬の皮膚の状態がよくわからないときは、動物病院で相談してみると安心です※3。
ドライシャンプー活用術
体調がすぐれない日や、重篤な心疾患・呼吸器疾患がある場合は全身シャンプーを無理に行う必要はありません。洗い流しの必要がない低刺激なドライシャンプーを被毛に馴染ませて、濡れタオルで拭き取るだけでも、十分衛生的なケアができます。「今日はお風呂は難しいな」という日は、部分洗いやドライシャンプーに切り替えてあげることも、立派なケアの選択肢です※3。
持病がある犬ちゃんのシャンプーは、酸素室や医療モニタリング設備の整った動物病院でのケアが最も安全です※6。
爪切り・耳掃除(グルーミング)の基本🐶

爪切りが苦手な犬ちゃんは多く、飼い主様も「嫌がるのを無理にするのはかわいそう」と思って、ついつい後回しにしてしまうことがあると思います。
耳掃除も同様に、「触ると嫌がるから」と気になりながらも手が出せない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、爪と耳のケアはどちらも犬ちゃんが快適に過ごすために欠かせないものです。嫌がる子でも、少しずつ慣れてもらえる方法がありますので試してみてください。
爪を切るベストタイミング
活動量が落ちた老犬は爪が摩耗しにくく、伸びるスピードが相対的に早くなります。基本的に月1度が目安ですが、フローリングを歩くときに「カチャカチャ」と爪の音がしたら、切るべきサインと思ってください※5。
爪を伸ばしたまま放置すると、肉球が地面に正しく接地できなくなります。バランスを崩しやすくなり、弱っている足腰にさらなる負担をかけることになるため、定期的にチェックしましょう。地面に接しない狼爪(前脚の親指側の爪)も巻き込みやすいため、忘れずに確認してください※5。
爪切りを嫌がる場合の対処法と注意点
「嫌がるから難しい」と感じたら、一度に全部切ろうとするのをやめてみてください。1日1本ずつでもOKです。ご褒美おやつをあげながら、少しずつ進める方法なら、犬ちゃんの心への負担は小さくなります※5。
⚠️ 注意点:黒い爪の切り方
黒い爪の子は、血管の位置が分かりづらいので、先から少しずつ切り進め、断面が湿り気のある半透明に変わってきたところでストップしましょう。
⚠️ 注意点:出血した場合
万が一出血した場合でも、慌てないでください。清潔なガーゼで3〜5分間優しく圧迫止血すれば、たいていの場合は落ち着きます。血が止まったら1時間ほど安静にさせ、2〜3日は散歩を控えましょう。
耳掃除の頻度とNG例
耳掃除は、月1回(耳垢が多い子は1〜2週に1回)耳をめくって臭い・赤み・耳垢の量を確認することが基本です。普段からスキンシップのついでに耳を触っておくと、犬ちゃんも嫌がりにくくなります。
綿棒で奥を掻き出す行為は皮膚を傷つけ、外耳炎の原因になるため避けてください。悪臭・ただれ・強い痒みがある場合は、自宅でのケアではなく動物病院での処置が必要です※1。
トリミングで負担をかけないカット方法✂️

「サロンに連れていくたびにぐったりしてしまう」「高齢になってから断られてしまった」トリミングにまつわる悩みは、シニア犬の飼い主様に多いご相談のひとつです。
今の愛犬の状態をしっかりと把握して、その子に合った方法を選ぶことが、何より大切です。
サロン利用か自宅ケアかの選択基準
今まで自宅でセルフカットしていた子だと、サロンに行くのが負担になるかもしれません。しかし、自力で立つことができなくなってくると自宅ケアも難しくなってきます。立てなくなってからでは、一般的なサロンでは利用を断られるケースも多いので、10歳頃の元気なうちから、老犬対応サロンや動物病院が実施するトリミングサービスを定期的に利用し、環境に慣れさせておくことが大切です。
時短部分カットのメリット
被毛を短めに保つことで、自宅でのブラッシングやシャンプーの時間が短縮され、乾かす負担も大きく下がります。全身を一度にケアする必要はなく、お尻周りや足先など汚れやすい部分だけをこまめに整えるだけでも、衛生面と負担軽減の両方に効果があります※6。
送迎・出張サービスの活用
愛犬が動けない場合や、サロンへの移動自体がストレスになる場合は、無理に連れ出す必要はありません。自宅に訪問して施術してくれる出張トリマーや、介護対応トリミングサービスという選択肢もあります。
愛犬が一番安心できる場所でケアを受けられることが、何より犬ちゃんの心にとってもやさしい方法です。
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毎日のセルフ健康チェックのすすめ📝

「いつもと何か違う気がする」そんな飼い主様の小さな違和感が、病気の早期発見につながることは少なくありません。難しいことをする必要はなく、毎日のスキンシップの延長で、愛犬の体を優しく見てあげるだけで大丈夫です。
5項目チェックリスト✅
老犬は体の不調を言葉で伝えられないうえ、本能的に症状を隠す傾向があります。毎日のスキンシップを健康チェックの機会にして、変化にいち早く気づいてあげましょう※1。なでながら、以下の5か所を確認する習慣をつけることをお勧めします。
| チェック部位 | 気になるサイン |
|---|---|
| ✅ 目 | 黄色い目ヤニ、白目の充血、白い濁り |
| ✅ 口 | 強い口臭、歯茎の出血・腫れ、歯茎が白い(貧血)、舌が白い・青紫色 |
| ✅ 皮膚・被毛 | フケやベタつき、気になるしこりやイボ |
| ✅ 体・お腹 | 短期間での急激な腹部の膨らみ、体重の増減 |
| ✅ 呼吸・歩き方 | 安静時でも息が荒い、咳・くしゃみ・呼吸音の異常、歩行のふらつき※1 |
動物病院の健康診断頻度
自宅でのセルフチェックで問題がないように見えても、血液検査や画像検査で発覚する異常もあります。7歳未満は年1回、7歳以上のシニア犬はできれば半年〜10か月に1回、動物病院で全身の定期健診を受けることをお勧めします※1。
「何もなかった」という結果もまた、飼い主様の安心につながります。
📖健康診断の頻度や費用の目安については、こちらの記事で解説しています🏥🐕
体調モニタリングツール
認知機能の変化が気になる場合は、8歳以上の犬に多いとされる認知機能不全症候群(CDS)を評価するためのチェックシート(DISHAA)が獣医師との相談に役立ちます。見当障害・睡眠サイクルの乱れ・夜鳴きなどの行動変化をスコア化し、早期発見につなげるツールです。「最近なんだか様子が変わった気がする」と感じたときの、ひとつの目安として活用してみてください※1。
📖「認知症化も…」と不安な飼い主様には、こちらの記事がおすすめです。
DISHAAチェックシートもご用意していますので、ご活用ください🐕🌀
健康的な体型を維持できているかどうかは、BCS(ボディコンディションスコア:脂肪量)やMCS(マッスルコンディションスコア:筋肉量)で判断できます。
📖BCS(ボディコンディションスコア:脂肪量)、MCS(マッスルコンディションスコア:筋肉量)の見方は、こちらの記事でご紹介しています🍚🐶
薬を嫌がるときの投薬テクニック💊

「薬を飲んでくれない」「ご飯に混ぜたら食べなくなってしまった」
毎日の投薬に悩む飼い主様は多く、それだけで心が折れそうになることもあると思います。でも、ちょっとした工夫で、犬ちゃんにとっても飼い主様にとっても楽になる方法があります。
投薬を拒否する主な原因
老犬になると持病のための薬が長期にわたって処方されることが多くなります。犬が薬を嫌がる主な原因は、薬の苦味・錠剤の大きさ・過去の嫌な経験から来る口周りへの警戒感などが挙げられます※4。まずは「なぜ嫌がるのか」を知ることが、解決への第一歩です。
おやつ包み・ピルガン・シリンジを使う方法
おやつ包み
💡 こんな子におすすめ:食いしん坊な子、薬の苦みを嫌がる子
ピーナッツバター・チーズ・ささみなど、愛犬が大好きな食材に薬を埋め込んで与える方法です。一口で食べ切れるサイズにちぎって丸めることが、確実に飲み込ませるコツです※4。薬は直接触らずピンセットで扱い、包む食材は別の清潔な手で用意すると、匂い移りで見破られるリスクを防げます。
ピルガン
💡 こんな子におすすめ:口の中に指を入れると噛んでしまう子、錠剤・カプセルの薬を飲む子
錠剤を直接口に入れるのが難しい場合に便利な、注射器型の投薬器具です。先端のV字部分に錠剤を挟んで口の奥に滑り込ませ、リリースします。指を噛まれる心配が少なく、素早く投薬できるのが特徴です※4。
シリンジ(針なし注射器)
💡 こんな子におすすめ:粉薬・液体薬を処方されている子、固形のものを飲み込むのが苦手な子
粉薬を少量の水や犬用ミルクに溶かし、針のないシリンジで口の端から頬の内側にゆっくり注入します。一度に流し込むと誤嚥のリスクがあるため、必ず少量ずつ慎重に行ってください※4。
獣医師に相談すべきケース
嫌がって大暴れしてしまう場合や、薬を混ぜたことでご飯ごと食べなくなってしまう場合、嘔吐・下痢があって口から薬が受け付けられない場合は、無理に続けなくて大丈夫です。
座薬や注射薬など、より負担の少ない投薬方法に切り替えられることがあります。一人で抱え込まず、迷わずかかりつけの獣医師に相談してください※4。
FAQ
- Qシャンプーをかなり嫌がります。無理にでも入れたほうがいいですか?
- A
体調がすぐれない日や、持病がある場合は無理に全身シャンプーをする必要はありません。お尻や足先だけの部分洗いや、水のいらないドライシャンプーでも十分に衛生的なケアができます。「今日は入れてあげられなかった」と自分を責めないでください。どうしても難しい場合は、老犬対応の出張トリマーや動物病院でのシャンプーを検討してみてください※3。
- Q爪切りで出血してしまいました。どう対処すればいいですか?
- A
まず深呼吸して落ち着いてください。飼い主様の焦りは犬ちゃんにも伝わります。清潔なガーゼを爪の切断面に当てて3〜5分間優しく圧迫し、血が止まったら1時間ほどケージで安静にさせ、2〜3日は散歩を控えてください。人間用の痛み止めは犬には使えないため、絶対に使用しないでください※5。
- Q毎日のセルフチェックで問題がなくても、病院での定期健診は必要ですか?
- A
必要です。自宅での触診・視診では、内臓の異常や血液の変化は確認できません。定期健診で行う血液検査や画像検査では、症状が出る前の段階で病気を発見できる場合があります。7歳以上の犬ちゃんは、半年〜10か月に1回の受診をお勧めします※1。
- Qドライヤーで乾かすときに注意すべきことは何ですか?
- A
高温の熱風は老犬の熱中症や皮膚の火傷、乾燥トラブルの原因になるため、温風のみを当て続けないようにしてください。室温を20〜25℃に保ったうえで冷風モードを使うか、温風と冷風を交互に使用し、体から30cm以上離して乾かします。体が濡れたままだと体調を崩しやすいため、冷えやすい胸やお腹の部分から優先して手早く乾かすのがポイントです※3。
- Q老犬になってから急に口臭がひどくなりました。原因は何ですか?
- A
加齢による唾液分泌量の減少で、歯垢・歯石が蓄積しやすくなります。歯周病のほか、内臓疾患が原因になる場合もあります。強い口臭・歯茎の出血や腫れ・歯のぐらつきなどが見られたら、動物病院で診てもらうことをお勧めします※2。
- Q薬を食べ物に混ぜると、そのご飯ごと食べなくなりました。どうすればいいですか?
- A
薬の匂いがご飯に移ってしまうと拒食につながることがあります。薬は直接触らずピンセットで扱い、包む食材を薬とは別の清潔な手で用意すると匂い移りを防げます。それでも難しい場合は、シリンジで液体として与える方法や、座薬・注射薬への切り替えを獣医師に相談してみてください※4。
- Q10歳を超えた犬ですが、サロンに断られてしまいました。どうしたらいいですか?
- A
老犬や持病がある犬ちゃんのトリミングを断るサロンは少なくありません。動物病院が実施しているトリミングサービスや、自宅に来てくれる出張トリマーを探してみてください。体調管理と施術を同時に行える環境が整っている動物病院でのトリミングは、安全面でも安心できる選択肢です※6。
まとめ | 今日から始めるケア習慣と次のステップ
老犬期のお手入れで最も大切なのは、「一気に完璧にやろうとしないこと」「無理をさせず、嫌がる前に切り上げること」です。完璧にできなくても大丈夫。「今日も一緒にいられた」という時間そのものが、愛犬にとって何よりのケアになっています。今日からスキンシップを兼ねて、小さな一歩から始めてみましょう。
「毎日5分ケア」開始の5ステップ
| ステップ | 行動内容(5分) | 自宅で取り組む具体例 |
|---|---|---|
| STEP 1 | リラックスしたなでなで | 愛犬が喜ぶ場所(首、背中、胸など、自分では舐められないところ)を優しくなでることから始めます。 |
| STEP 2 | スキンシップを兼ねた5大部位チェック | なでなでの延長で、目・耳・口・お腹・皮膚を優しく触り、腫れやイボ、変形や異臭がないか確認します。 |
| STEP 3 | 触らせてくれたら「大好物」のご褒美 | 足先や口元など、犬ちゃんが触られるのを警戒しやすい部分に少し触れたら、即座に大好物のおやつを一口あげます。 |
| STEP 4 | お手入れアイテムの「楽しい」連想付け | 歯みがきシートを指に巻いて犬用歯磨きジェルを舐めさせる、ブラシを見せておやつをあげるなどを行います。 |
| STEP 5 | 負担をかけない「部分ケア」の実践 | 爪切りを「1日1本」だけ切る、汚れた「お尻だけ」を部分的にサッと洗うなど、スモールステップでケアに慣らします。 |
症状の変化は迷わず動物病院へ
老犬は不調を隠す傾向が特に強く、限界まで症状を見せないことがあります。黄色い目ヤニや充血、歯茎の出血・腫れ・ぐらつき、皮膚のじゅくつきや脱毛・しこり、短期間での腹部の急な膨らみ、安静時の荒い呼吸や咳・舌の変色などが見られたら、速やかにかかりつけの獣医師に診ていただいてください。
毎日のお手入れを、愛犬との楽しいスキンシップと健康確認の時間に変えていきましょう。愛犬もご自身も、どうか無理せず、その子のペースに合わせて寄り添いながら、穏やかな毎日を重ねていきましょう。
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